敗者の風呂は長かった。
洗髪した後、支度部屋で報道陣に囲まれても、朝青龍はしばらく質問に応じなかった。
いや、頭を整理できなかったのか。しばらく間をおいて
「やることはやった。(自分が)弱いんだよ」
と無表情で心境を口にした。
2場所連続出場停止という前代未聞の処分を受け、3場所ぶりの本場所。
土俵を離れた大きなハンディと重圧を背負っての土俵でも1敗を守り、
千秋楽の相星決戦までこぎつけた。人一倍負けん気の強い27歳の横綱がもちろん、
それだけで満足するわけはなかった。
だが、白鵬得意の右四つで胸を合わせてしまった。
強烈な引きつけで何度か相手をつったのはさすがだったが、
最後は上手投げに左ひじから落ちた。
真っ向勝負での黒星に「悔いはありません。四つに組んで力を出し切れないというのは、
自分の力不足です」と、悔しさを封じ込めようとしていた。
ライバルへの敗戦が闘志に火をつけたのは間違いない。
「来場所は絶対に勝ちたいと思う」。
再び西の番付に甘んじる春場所に向けて、早くも必勝を誓っていた。
◆朝青龍の師匠、高砂親方(元大関朝潮)の話
「残念でした。1カ月くらいで(体を)つくって、ここまでよく頑張った。
これからは生活面でもさらなる充実を遂げて、今度はおれが優勝する
という気持ちで春場所に向かっていってほしい」
http://www.sanspo.com/sokuho/080127/sokuho061.html
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