レスリングの世界選手権は17日、バクー(アゼルバイジャン)で開幕し、
男子グレコローマン60キロ級で笹本睦(綜合警備保障)が準決勝で
アテネ五輪金メダルの鄭智鉉(韓国)を破って決勝へ進出し、世界選手権では
日本のグレコローマン選手として12年ぶりのメダルを確定した。
笹本は今大会の各階級上位8選手に与えられる北京五輪の出場枠を獲得し、
日本レスリング協会の規定により同五輪代表に内定した。
守りの体勢から残り30秒で相手にポイントを許さず勝利が決定。
世界選手権で自身初のメダルが確定すると、笹本はガッツポーズでマットを走り回った。
自らの手で北京五輪へ日本の出場枠を獲得し、表彰台確定で3大会連続の
五輪代表に内定。
中身の詰まった勝利に、普段はシャイな男の口から「よっしゃ」と大声が出た。
準決勝の相手はアテネ五輪優勝の鄭智鉉。試合開始26秒で右目の上を切り、
頭をテープで巻いた痛々しい姿となった。第1ピリオドは1-2で失ったが、第2ピリオドは
逆に2-1で奪取。最終ピリオドは両者一歩も譲らなかったが、攻守を入れ替えて
30秒ずつ戦う最後の1分で、先攻めになった幸運も後押しした。
期待された前回大会はまさかの初戦敗退。「しっかり勝って帰る」と臨んだ今回は、
初戦からすきのない試合運びが光った。2、3回戦は2ピリオド連取で快勝し、
初めて第1ピリオドを先取された4回戦は鮮やかなフォール勝ちで力を見せつけた。
2000年シドニー五輪で8位となり、アテネ五輪は決勝トーナメント1回戦で微妙な判定に
泣かされ5位に終わった。外国勢に負けない腕っぷしで日本のお家芸復活を担う逸材も
今年10月で30歳になる。北京では、円熟の世界選手権メダリストとして頂点に挑む。
http://www.sanspo.com/sokuho/070917/sokuho043.html
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