松田優作さんの遺志を継ぎ、日米で俳優活動を続ける石橋凌(51)が、
ジェット・リー(44)相手に鋭い剣さばきを披露する犯罪アクション映画
「ローグ アサシン」が10月6日、全国公開される。ハリウッドから直々の
オファーに「大いに価値があった」と喜ぶ一方、“日本式”出演交渉術が
アメリカを侵食する実情をロッカーらしくバッサリ斬り捨てた。 (中略)
オファーはプロデューサーと監督から寄せられた。「君がこの役をやりたい
なら決める、と言ってくれましてね。非常にありがたかった」
そう語るのには訳がある。石橋は、「ブラック・レイン」で等身大の日本人
俳優が世界に通じる可能性を見せた松田さんを師と仰ぎ、世界を相手に俳優
としての可能性を試し続けてきた。
「この作品で10本目。自分なりに英語や演技を勉強してきたけれど、『ラスト・
サムライ』以降、非常に僕の中では悔しい思いをしてきた」 映画に賭ける率直
な思いから舌鋒は鋭くなる。
「日本の芸能界の力関係、政治力で役を取ることに落胆して活路を海外に向
けて、15年も前から向こうの監督と俳優と組んできた。アメリカはフェアにオー
ディションを受ける。実はこの15年間、いっぱい受けていて、僕自身の中のバ
ネになった。ところが、オーディションのチャンスさえもらえないというのはすごい
不健全。アンフェアだ。だから僕は僕なりに戦っていくし、それにはこういう一つ
一つの積み重ねしかない」
洋画の日本人がらみの描写はヘンテコなのが常だが、石橋は日本人が正当
に評価されるよう、出演作では常に意見を伝えてきた。今回も、「今の日本人の
ヤクザ像を、監督なりプロデューサーに伝えたつもり」と語る。
ミュージシャンとしては、「来年にソロ活動をやりたい」とも。残念ながら、昨年
脱退した「ARB」への復帰は無いというが、時代の先を走る不屈のロック魂は
スクリーンで炸裂し続ける。
http://www.zakzak.co.jp/gei/2007_09/g2007092513_all.html