東京Vや京都など、J2リーグの上位4チームが天皇杯で先発メンバーの大幅入れ替えを
行った問題で、Jリーグの鬼武健二チェアマン(68)は9日、Jリーグの規定が適用されない
天皇杯に関してもベストメンバーで臨むべきとの見解を示した。
天皇杯でも発生したメンバー入れ替え問題を受け、鬼武チェアマンはJリーグとしての
姿勢を明確に示した。
「直近5試合で1試合以上に先発した選手6人」先発メンバーに入ることを定めた
ベストメンバー規約は、リーグ戦およびナビスコ杯についてだけ適用されるが、
鬼武チェアマンは「天皇杯もベストメンバーでやらないといけない。その辺はプロスポーツと
しての精神の問題」と、天皇杯も例外ではないことを強調した。
川崎FがACL準々決勝、セパハン戦の合間の柏戦(9月23日)で8人を入れ替えたことに
端を発した騒動の中で同チェアマンは、ベストメンバー規約に従う以前に、ベストを尽くす
精神こそが重要と幾度となく強調してきた。だが、天皇杯軽視とも受け取れる今回の問題に
ついて、日本協会の川淵キャプテンが8日に「負ける前提ではやっていない。問題にはしない」
と不問に付したことで、天皇杯の位置づけがあいまいになってしまった。
事態を重く見た鬼武チェアマンは、天皇杯もリーグ戦と同様との認識を示すことで、
天皇杯軽視の流れを寸断。今回の当事者である札幌、東京V、京都、仙台からは今後、
事情聴取する可能性も出てきた。
この日、各クラブの社長を集めた実行委員会でJリーグの犬飼専務理事は、サッカーくじ
「toto」の対象となっていることなどを理由に挙げ、ベストメンバーで戦う意味をあらためて
説明。また、メンバー構成の客観性を保つために、フロントと監督とのパイプ役になる
GMを各クラブに置くことも提案した。
リーグ戦もカップ戦もすべてベストを尽くすことは確認された。ただ、どこまでメンバー変更が
許されるのかの線引きはあいまいなまま。メンバー入れ替え問題は、まだまだくすぶりそうな
雲行きだ。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2007/10/10/01.html
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