三つどもえが続くセ・リーグ優勝争い。上位3チームが小差でひしめく史上まれに見る展開に
ファンの盛り上がりも最高潮だが、この状況を冷や冷やしながら見つめているのが
「阪神Vでひと儲け」を考えている商売人の皆さんだ。
ペナント争いが混とんとすればするほど頭を悩ませているのが、阪神が優勝した際、
記念グッズの発売を予定しているグッズ業者だ。
関連商品を発売するには、もちろん球団の許可が必要。優勝記念グッズも当然許可がいるが、
その契約条項に「優勝しなかった場合は、絶対に商品を世間に出さない」という特記事項がある。
つまり、阪神が優勝を逃そうものなら大損になってしまう。
阪神グッズを製造販売するシャープ産業(神戸市)は「企画はしていますが、一部の商品をのぞいて、
まだ製造は始めていない」という。「リスクの少ないモノ作りが弊社の持ち味ですので」と戦況とにらめっこという状況だ。
2003、05年の優勝の際は数十点の記念グッズを作った同社。一部生産ラインを中国に持っているため、
早い時期に優勝が決まらなければ製造が間に合わない恐れも出てくるが、「リスクの高い勝負を
かけるわけにはいかない。最後は社長が総合的に判断する」と話す。
一方で、見切り発車した業者もいる。ある洋品業者は「もう祈るような気持ちで毎試合を見ていますよ」とこぼす。
この業者は、まだ阪神が10連勝する以前の8月末時点で、優勝記念商品を発売することを決定。
記念グッズに使用する原材料などはすでに発注し、一部商品は製造を開始。もう引き返せない。
「去年も9月の猛追で記念商品を作り店舗への納入まで済ましましたが、最終的に撤去したうえで、
全部焼却処分にしました。ウチは転用可能な原材料もあったので数十万円の損失で済みましたが、
少なからず損害が出た業者サンもいたようです」(洋品業者)
グループ会社の阪神百貨店も、実は頭を痛めている。春先、チームの不調の影響で苦戦をしていた
グッズ販売がオールスター後の驚異的な追い上げで、8月は前年同月比105%、9月は同170%(!)と、
驚異的な巻き返しを記録。屋上のビアガーデンも、8月は同110%と絶好調だったという。
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